news【体験レポート】本金継ぎ体験を開催いたしました
7月10日(水)当店にて、渋草焼芳国舍の松山先生による
「本金継ぎ体験」ワークショップが開かれました。
近年、金継ぎは国内外から注目を集めブームになっています。
注目度が高まる中で、本来の工程を経ることのない簡易的な
方法による金継ぎも多く見られるようになってきました。
簡易的な手法の金継ぎの多くは、エポキシ樹脂系の接着剤を
用いた手法によるもので、食器として使用する場合には健康
被害が懸念されます。また、簡易金継ぎの普及により、
本来の伝統的な手法をしっかりと継承、普及させたいとの
思いから金継ぎ体験のワークショップは企画されました。
漆や小麦粉などの天然素材のみを接着剤に継ぎ目を金で被覆
する伝統工法は、完成までに数か月の期間が掛かります。
本来の本金継ぎ工程は以下の通りです。
①割れた陶器の接着面に漆と小麦粉を混ぜ合わせた
接着剤(麦漆)を塗布し、圧着期間を一か月ほど
静置する。
②砥粉(とのこ)と漆を混ぜた錆漆を接着断面の表面に
塗りこみ、すき間を埋めます。
錆漆の硬化する期間としても、約一か月間必要です。
③錆漆が硬化したら、とくさ(砥草:日本国内に自生し、
観賞用に庭に植えられることもある茎状の植物。古来、
茎を煮て乾燥させたものを研磨の用途に用いたことから、
とくさ(砥草)の名の由来がある。
紙やすりが一般的である今日でも、ツゲ櫛の歯や漆器の
木地加工、木製品の仕上げ工程などに使用されている。)
を用いて、表面にはみでた錆漆を削りおとし、磨きあげる。
④接着線(割れ)の上に中塗りの漆を、ラインを描くように
塗る。乾燥期間として約一か月。
⑤乾燥、硬化したら、ペーパーで磨き、ラインに漆を塗り、
金粉を撒く。
以上のように、本来ならば4~5ヶ月必要な工程を一日ですべて
体験できるように、今回のワークショップではブローチを制作し、
なんと先生が事前に1ヶ月先、2ヶ月先、3ヶ月先の実物を
ご用意して頂いたおかげで、すべての作業がたった1日で体験できました。
参加者の方々には各工程を松山先生と奥様の指導のもと、
細かい箇所も根気よく丁寧に作業されており、
最終工程の金粉を撒いたブローチを完成させ、
今回のワークショップに大変満足していただけました。
本金継ぎとは、膨大な時間がかかり、
見た目ではわからない所に手が込んでいて、一切手抜きのできない、
とても価値のある芸術だと知りました。
本当にとても貴重な体験をさせて頂きました。
当店でも展示、販売しておりますので、
ぜひ皆様も芳国舎の作品を手にとってご覧ください。
今後もTHE GIFTS SHOPでは、岐阜県の魅力をより皆様に
体感していただける様々なワークショップを開催していきますので
どうぞ楽しみにお待ちください。